老いとは、末梢循環が悪くなることと定義されます。年とともに血管がだんだんと硬く細くなり、詰まりやすくなってくるわけですが、体内に日本酒が入ると、心臓の働きを活発にし、血液の循環が良くなります。さらには血液を固まりにくくする働きを持つウロキナーゼを増やし、逆に固まりやすくするトロポキサンチンA2を減らすという効果が認められています。また血管にたまった悪玉コレステロールを除去してくれるHDLコレステロールを増やしてくれるなど、日本酒は血管の若さを保つためにとても有効です。結局、長寿の医学とは血管の医学で、血管をいつまでも若く保つようにすることなんです。また、人間の脳細胞は百三十億個ありますが、二十歳を過ぎるとどんどん減っていきます。ボケの防止には、脳細胞を少しでも減らさないようにすることが重要ですが、ここでも、日本酒は脳の血管の血のめぐりを良くすることで、プラスに働きます。またストレスを解消し、心の若さを保てるのも、お酒の大きな効用です。

回答者:松木康夫さん
1933年、東京都出身 医学博士
新赤坂クリニック院長