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日本酒スタイリスト 島田 律子
りっちゃんの日本酒ひとりごと 2004/05/21号

私が社会に出たのは1989年。私はバブルの最後の申し子と言えましょう。
当時、遊びに行っていたところといえば、銀座、六本木、赤坂、青山、湾岸などのトレンディースポット。私はフレンチ、イタリアンと、毎日のようにフォアグラになりそうなぐらいにカロリーの高い食事をしていたものです。

そしてバブルははじけ、今のこのヘルシー志向の時代の到来です。私も年を取ったこともあり、今はもっぱらさっぱりした和食党になりました。

先日も、バブル当時から遊んでいた男友達と久々にご飯を食べたのですが、行ったところは裏寂れた、サラリーマンのオジサンがたむろしているような焼き鳥屋さんです。

私たちは、
「昔はこんなところでご飯を食べるなんて信じられなかったけどね」
と当時を思い出しては恥ずかしさで苦笑し、そして、
「やっぱりこういう食事が最高でしょう!」
と言って、改めて手に持っていた日本酒のグラスを合わせ乾杯しました。

何についての乾杯だったのでしょうか?彼を見ると、当時はイケイケだったくせに、今は白髪交じりの禿げ上がったいい四十路のオジサンです。そして私も、当時は二十歳そこそこのイケイケギャルだったのに、今じゃ35のいいオバサンです。そんな私たちは、今まさに壮年期であり、人生の中で最高に充実した時期にきているのです。

改めて、若い頃への決別と、これからもっと年を取っていく私たちに幸多かれ、と自分たちにエールを送った乾杯だったのでした!

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