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本格焼酎と泡盛
春秋謳歌 -南からの焼酎便り-
   
- 第2回 -
第2回 ケチった焼酎の恨みは400年
 東京6%、福岡19%、鹿児島49%。これは平成17年の1年間に成人一人が焼酎に支出した酒代の割合である。鹿児島でいかに焼酎が飲まれているかをよく表している。薩摩人の焼酎への思い入れの深さは今に始まったものではない。時は永禄2(1559)年、今から450年ほど前に書かれた大口郡山八幡神社の落書きは焼酎通の間ではよく知られている。神社の改修にあたった二人の大工が日付と署名入りで、神社の座主がケチで焼酎を一度も飲ませてくれなかったという恨みつらみを書き残したもので、その内容と当時最古の年代、そして焼酎の文字が書かれていたことから大きな話題を呼んだ。

 それにしても、開放的な神社のどこに400年もの間、隠し通す場所があったのか長い間疑問に思っていた。53年ぶりに神社の改修が行われるのを機会に、今年4月、その時の“木札”が公開された。驚いた。写真では平たい板にしか見えず、すっかり木札と思いこんでいたが、それは丸っこいくさび型をしていて、内側のえぐられた部分に書かれていた。それはもっとも人目につきやすい神社正面右上のし写真め縄をくくりつけている木鼻と呼ばれる部分の一部で、えぐられたように破損した内側に落書きし、再び何事も無かったかのように細工して元に戻し、上から釘付けしてあったのである。こともあろうに、依頼主である神社の最高責任者の悪口を、補修を依頼されていながら補修すべき横木の中に書き付け、400年ものあいだその下をくぐる座主にケチケチとささやかせ続けたのである。その度胸と知恵にすっかり感心してしまったが、怖いのは神罰をおそれぬ行為に走らせた焼酎の魔力と思い至り、いささか複雑な心境になってしまった。
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